太古から伝わる心の知恵。ヴェーダンタとは何?

ヨガのはなし

なんだか心がざわついて、
本当の幸せがどこにあるのか見失ってしまうことはありませんか?

ヨガのポーズや呼吸法、アーユルヴェーダは体と心を整えるための方法ですが、

実はそれ自体は本当の目的ではありません。

ヨガや瞑想は、真実を知るための心の土台をつくるもの。

その奥には、もっと深く、揺るがない心の知恵があります。

それが、インドに太古から伝わる教え「ヴェーダーンタ」です。

ヴェーダーンタの源流「ウパニシャッド」

ヴェーダーンタの教えの源流は、「ヴェーダ」というインド最古の聖典にあります。

ヴェーダは、遥か昔の聖者たちが瞑想の中で、宇宙の真理を「聞いた」ものだと信じられています。

人間がつくったものではなく、宇宙の創造主がつくったものということです。

そして、その膨大なヴェーダの最後に位置する教えが、「ウパニシャッド」です。

ヴェーダーンタは、「ヴェーダの終わり」を意味し、このウパニシャッドの教えを基盤としています。

このウパニシャッドという言葉には、とても深い意味があります。

それは、「upā(近くに)」「ni(はっきり)」「ṣad(壊す)」

という3つのサンスクリット語からできています。

ウパ:グル(師)の近くに座る

:はっきりと真実を見る

シャッド:無知を破壊する

つまり、

師の近くに座り話を聞くことで、古い考えや価値観を破壊し、真実が明らかになる

という意味です。

この教えは、師から弟子へと口伝えで伝えられる、まさに奥義書(秘密の教え)でした。

真理を求める少数の弟子だけに、大切に教えられてきたものなのです。

ヴェーダーンタは「宗教」でも「哲学」でもない

ヴェーダーンタは、一見すると宗教や哲学のように思えるかもしれません。

しかし、それは少し違います。

  • 宗教との違い:ヴェーダーンタは、特定の神を崇拝したり、儀式を行ったりすることを目的としません。信じることではなく、「知ること」を大切にします。
  • 哲学との違い:哲学が論理的に真実を「探究」するものであるのに対し、ヴェーダーンタは、すでに存在している真実を「知る」ための知識です。

ヴェーダーンタは、あなたがすでに持っている「本当の自分」という宝物を、

知識の力を使って思い出すための、自己探求の道具なのです。

ヴェーダーンタの教えを伝える聖典

ウパニシャッドのように、師から弟子へと直接伝わる教えをシュルティ(聞かれたもの)と呼びます。

それに対して、スムルティ(記憶されたもの)という聖典もあります。

これは、聖者や賢者たちが人々に分かりやすく伝ええるために真理を説いた書物で、

有名なバカバットギータ(叙事詩・マハーバーラタ)はスムルティに当たります。

ヴェーダーンタが教えてくれる、たった一つの真実

ヴェーダーンタは、何だか難しく聞こえるかもしれませんが、

最終的に教えてくれることは、たった一つです。

それは、「あなたは既に、完璧で満たされた存在だ」という真実です。

私たちは、自分を”不完全な私”だと思い込み、幸せを外側に探し求め、苦しんでいます。

しかし、ヴェーダーンタは、それは”本当の自分”を知らないがゆえの誤解にすぎないと教えてくれます。

ヴェーダーンタは、この無知を取り払い、私たちがすでに持っている幸せを思い出すための知恵が記されています。

ヴェーダーンタは「あなたの物語」

ヴェーダーンタは、単なる哲学ではありません。

それは、あなたが心穏やかに、そして本当に幸せに生きるための「あなたの物語」です。

遠い昔から、人々は、人生は何のためにあるのか?何のために生きるのか?

自由や幸せはどうやったら手に入るのか?

そんな疑問を持って生きてきました。

それは何千年も変わらない、人々の奥深くにある根源的な問い。

自分が生きる意味。幸せの在り方。

その答えがきっと見つかるはずです。

angie

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