「瞑想って、思考をなくして『無』になるものでしょ?」
そう思って挑戦してみたものの、頭の中に次々と雑念が浮かんできて「やっぱり私には無理だ……」と挫折した経験はありませんか?
実は、瞑想は「無になること」を目指すと途端に苦しくなってしまいます。 かれこれ20年近くヨガや瞑想を続けている私でも、「無になる」なんて無理です(笑)
では、瞑想の本当の目的とは何なのでしょうか?
瞑想の目的は「何かを得ること」ではない
「瞑想すると何が得られますか?」と聞かれたら、私は「何もありません」と答えます。
瞑想すること自体が目的であり、ゴールだからです。
だけどそこには、「何も無いけれど、全てがある」。 ……これを聞くと、「何を言ってるんだ?」と思いますよね(笑)。
言葉遊びがしたいわけでも、難しい知識をひけらかしたいわけでもありません。何が言いたいかというと、瞑想とは『頭で理解するものではない』ということです。
仙人のように何年も山に籠って修行する必要もありません。 頭で理解するのではなく、ただ「感じること」なんです。
想像してみてください。あなたの内側にある感覚
たとえば、こんなシーンを想像してみてください。
- 生まれたばかりの赤ちゃんを見たとき
心の奥があたたかくなって、幸せな気持ちになって、「なんて愛おしいんだろう」と溢れてくる気持ち。 - 自然豊かな森の中にいるとき
澄んだ空気と川のせせらぎ、鳥のさえずりに癒されて、身体の力がすーーっと抜けていく感覚。 - 大好きな人たちと美味しい料理を囲んでいるとき
楽しい時間を過ごしながら、心の底から満たされていくような幸せな感覚。
どれも、「えーっと、今は幸せだと考えよう」と思考で計算して得たものではありませんよね。 その瞬間、その空間で、自然と身体の内側から沸き起こってきた感覚のはずです。
瞑想とは「今の自分の感覚」に気づくこと
つまり瞑想とは、「自分の感覚に気づくこと」なんです。 「私はいま、何を気感じているのかな?」と、自分の内側に意識を向けてあげること。
- 「ゆっくり呼吸すると気持ちいいな」
- 「なんだか、心がソワソワしているな」
- 「今日は身体が疲れているな、だるいな」
- 「首の後ろに少し違和感があるぞ」
- 「胃腸が少し重たい感じがするな」
もちろん本格的な瞑想には段階がありますが、私たちが日常で目指すところは、自分に意識を向けて、今の状態をただ感じてみることです。
なぜ、自分を感じる必要があるの?
「でも、何も得られないなら何のためにやるの?」と思いますよね。 もちろん、ちゃんとした理由があります。
自分に足りないものを埋めるためでも、誰かから評価されるためでもありません。
『自分自身を見失わないため』です。
ニュースを見れば、毎日のように世界の大変な出来事が報道される。 先が見えない、不安定な社会。 SNSを開けば、煽りや攻撃的な言葉、感情を逆撫でするような情報で溢れている。 いつでも人と比べられる環境で、「自分には価値がないのかな」と落ち込んだり、周囲の心ない言葉に傷ついたり……。
そんな環境や社会の流れに呑み込まれてしまうと、私たちはあっという間に自分を見失い、心が息苦しくなってしまいます。
時代や状況によって、自分の外側の世界は常に変化しています。 外側に安定を求めれば求めるほど、その変化に振り回されて、心も疲れ果ててしまうのです。
自分の中心を持ち、自分の足で立つために
どんなに環境が変わっても、自分の中心をしっかり保ち、自分の足で立てる人。 自分の人生に責任を持ち、どんな時も自分で方向性を見出して歩いていける人は、どんな時代でも自分なりの喜びを見つけて生きていけます。
そのためには、「自分を客観的に見る力(内観)」が必要不可欠なのです。
本当の「ヨガ」をやってる?
こうやって考えてみると、ヨガや瞑想の本質が見えてきます。
- 痩せるためだけにポーズをしているなら、それは「フィットネス」
- 成功するためだけにマインドフルネスを取り入れているなら、それは「イマジネーション」
- 思考を無にするために瞑想をしているなら、今以上に苦しくなってしまう
ヨガや瞑想を始めるきっかけは何でも良いですし、最初は「こうなりたい!」という理想があっても良いと思います。
でも、「今の自分じゃない自分」になろうとしてヨガや瞑想をしても、なかなか上手くいかないんですよね。
ありのままの自分を感じる。それ以上でも、以下でもない
不安を感じている自分も、 孤独で寂しさを感じている自分も、 上手くいかなくてイライラしている自分も、 子育てや仕事に一生懸命になっている自分も。
全部、あなたの大切な一部です。
ただ「今の自分を感じること」。それ以上でも以下でもありません。 感じることそのものが目的であり、ゴールです。
自分を客観視して、ただありのままの自分を見て、
「あ、私って今こうなんだな」
と気づくこと。
そうやって自分をただ受け入れると、不思議なことに、あなたに必要なものは全部あとからついてきます。自分が喉から手が出るほど欲しかったものが、すっと手に入ったりする。だから、この世界は面白いんです。
静かに座って座禅を組んだりしなくても大丈夫。 内観(簡単な瞑想)は、いつでも、どこでも、仕事や育児の合間にだってできます。
「あ、ちょっと疲れたな」「ほっと一息つきたいな」と思ったら、今ここで、ゆっくり深呼吸してみてくださいね。
angie
